2017年シーズン、オリックスの反省
昨年は完全最下位という不名誉な記録を残してしまったオリックスバファローズ。今年は順位を2つ上げて4位としたものの、3位楽天とは15ゲーム差と大差をつけられました。
開幕から好調をキープし4月終了時点で2位という高順位。このままAクラス維持なるかと期待したものの、5月には大型連敗を含む大失速。そこから全く追い上げられず4位のまま終了というシーズンでした。
そんなオリックスの今シーズンをいくつかのテーマに分けて振り返りつつ、来シーズンへの展望を語ってみようと思います。
オリックスの正捕手は若月なのか?
現在のオリックスの首脳陣、一部の選手を寵愛する一方で、一部の選手を干す傾向があります。それが最も激しかったのは、キャッチャーの若月と伊藤です。
若月は高卒3年目と若くて将来性のあるキャッチャー。一昨年は満塁になってからセカンドへの代走という意味不明な形で1軍デビューし、そこからスタメンでも数試合出場。去年は捕手チーム最多の74試合でスタメン出場でレギュラー定着。
しかしそこまでリードは良くない。僕自身配球の知識が薄いので詳細には語れませんが…。一打サヨナラの場面で外一辺倒の配球は目を疑った。解説者からは事あるごとに苦言を呈され、ネットでは他球団ファンから若月なら勝てると言われる始末。
キャッチングもまだまだ未熟。序盤戦では平野のフォークボールが取れないためストレートを要求し、結果打たれるというような流れもあった。アジアチャンピオンシップでも野田の変化球を一度逸らしかけましたね。
バッティングも酷い。ただ打率が低いだけならともかく、早いカウントから打ちに行って相手ピッチャーを助けてしまう。早々にゲッツーになりチャンスをつぶした場面は何度もあった。粘れないのが辛い。
一方、干されている伊藤光。2014年のシーズン2位になったときの正捕手で、オールスターや世界大会に出場したほどの実力があります。日々動画を見てリードを研究している努力家であり、チームをまとめるリーダー的存在でもあります。
しかし去年はDHやファーストでの出場が目立ちました。「ファーストミットはいらない」と宣言し正捕手奪還を狙った今シーズン…でしたが、オープン戦で唐突にサードを守らされる。
結局打撃が芳しくなく、小谷野がサード定着したのでシーズン序盤だけでしたが。無難にこなしてはいましたが、何故そこまでして光をキャッチャーで使わないのか。
首脳陣は「自分を出しすぎる」とか言ってましたが、リードもバッティングも若月より実力は上。オリックスの今シーズンは若月の育成で1年を棒に振ったといっても過言ではないと思ってます。
契約更改では年俸アップにも関わらず保留。1年間キャッチャーとして出たいという願いは切実です。来季はバッティングを鍛えて堂々と正捕手を取り戻して欲しいです。
オリックスのキャッチャーは守備重視の起用がされており、先発によって使い分けされていました。初めは全員若月でしたが、最終的に
- 金子、山岡→光
- ディクソン→山崎
- その他→若月
といった形でした。吉田凌が1軍初先発した際は、2軍でバッテリーを組んでいた飯田がプロ初スタメンでバッテリーを組みました。
オリックスにおいてキャッチャーは最も選手が揃っているポジションだと思います。しかしキャッチャーは育成と実践のバランスが最も難しいポジションでもあり、首脳陣がそのバランスをとれなかった印象です。福良監督続投ということで、シーズン終盤に見せた安定した起用法の継続を期待します。
ロメロ不在時の大失速
今年入団した新外国人、ステフェン・ロメロ。近年はブランコ、ロッティーノ、カラバイヨ、フェルナンデス、ジョージ、ボグセビック、クラークとハズレ外人野手を大量獲得してきたオリックス。しかしロメロは開幕から見事な活躍を見せました。カラバイヨのような一時的なものではなく、シーズン通して打率.274、HR26本の成績を収めました。
オリックスは4番に定着できる打者がいませんでした。生え抜きのホームランバッターはT-岡田のみ。そのTも今年はまだマシだったとはいえ、チャンスに弱いバッターで決勝打が少ない印象。だから5〜7番が妥当になってしまう。出塁率の高さで1番起用するのもあながち間違いではないです。
だからロメロが4番でスタメン定着できたことは非常に大きい。攻撃にリズムが生まれます。
4月22日のロッテ戦、守備で外野フェンスに衝突し膝を負傷。約一ヶ月の長期離脱を強いられました。4月はチームが上り調子だったため1人抜けてもそんなに酷いことにはならないはず…誰もがそう思っていました。
しかし蓋を開けてみると、5月は球団ワーストとなる月間19敗を記録する大失速。連敗は先発の不調など他の原因もあったとはいえ、得点力が激減したのは明白でした。ロメロ1人抜けるだけでこれだけ落ちるのかと。
ロメロが一軍不在時(4/25〜5/28、10/1〜10/9)の勝敗を調べたところ、8勝27敗で勝率0.229。トータルで63勝79敗1分で勝率0.444ですから、大幅に戦力ダウンしていることが伺えます。
来期もロメロが活躍してくれなければAクラスは難しいでしょう。いや、ロメロだけでなく、今年怪我なく一軍にいたT、中島、マレーロといった選手が離脱するのも大きな痛手となり得ます。
貧弱な二遊間
大城 .246(345-85) OPS.583 二塁40 遊撃37 三塁10 中堅6 左翼1安達 .203(316-64) OPS.584 遊撃92西野 .234(282-66) OPS.613 二塁68 三塁4小島 .213(164-35) OPS.548 二塁29 中堅10 左翼2鈴木 .081(37-3) OPS.216 二塁2 三塁1 遊撃1宗 .182(22-4) OPS.535 遊撃8岡崎 .143(14-2) OPS.286 遊撃4縞田 .143(7-1) OPS.476 一塁1 遊撃1 三塁1
はぁぁぁー(ため息)。めっちゃ打ってたイメージの大城でさえ2割5分を切っている。他はただただ酷い。選手の数が多かっただけで目立った活躍はしていませんでした。
大和獲得は失敗しましたし、安達は病気でフルに出れない、西野と縞田はサードコンバート…瀕死。
新入団の福田は即戦力のショート。茂木、源田、京田といったルーキーのショートの活躍が目立っているのでつい期待してしまいますが、果たして打てるのか…。バッティングが特別いいとは聞いてないので不安ですね。
ただこの面子だと一軍定着はできるはずです。安達が出れないときだけでもぜひ頑張って欲しいです。
駒数は揃っている投手陣
野手が不安だらけな一方で、先発投手はかなり豊富です。先発ローテ守れそうな選手を上げていくと
- 金子
- 西
- ディクソン
- 山岡
- 吉田一将
- 田嶋
- アルバース
- 小林
- 松葉
- 山崎福也
と10人もいる!後半の3人は少し不安ですが。他にも山本由伸、佐藤世那、吉田凌、東明といったメンバーもいます。山田は契約を繋ぎとめましたが、果たして復活はあるのでしょうか…。岸田はまだ先発にこだわるのかどうなのか。
リリーフは今年はやや不安定だったとはいえ、来シーズンは期待度が高いです。
シーズン2位に押し上げた立役者である佐藤達也、比嘉の2人は、シーズン終盤にようやく復活の兆しを見せました。あのシーズンと同じような活躍は難しいだろうけど、1軍には定着できるかもしれません。
新入団のK-鈴木は先発が余ることからリリーフになるでしょう。即戦力として期待しています。今期プロ初勝利を挙げた高卒ルーキー山本も、リリーフに回ることを示唆されています。入団2年目となる金田にも期待ですね。
守護神は平野の代わりに増井を獲得。実績があるので安心できますね。9回はずっと平野だったので慣れるまで時間かかりそうw
ただ一番心配なのが起用法。勝ちも負けも関係なく主力を登板される気分屋采配は本当に不安。負け試合に勝ちパターンの近藤黒木投げさせたり、勝ち試合に敗戦処理の金田投げさせたり…それで失敗したことも何度かあった。継投パターンは早めに固定化させてほしいです。
総括
今シーズン開幕前の解説者たちの順位予想では、軒並み最下位だったオリックス。いやいや、ロメロ打つし怪我人もおらんし4位くらいはいけるやろ!!と僕は思ってたんですが本当に4位でしたねw
今シーズン順位が上がったことで、来期の解説者の順位予想は若干高めになるかもしれません。しかし控えの選手層の薄さ、未知数のリリーフ陣などの不安要素は抜けきれないです。またBクラスに甘んじるのではないかと不安になっています。
こんなこと言うと元も子もないですが、パリーグのチームの戦力ってソフトバンク以外は拮抗してるんですよね。1人2人選手が怪我しただけで順位が入れ替わるような。だからパリーグの順位予想はめちゃくちゃ難しいですよ。来季は拮抗すると思います。
強烈な打線を有しながら先発が不安な西武、主力がごっそり抜け若手に期待がかかる日本ハム、井口新監督が誕生し即戦力を多く獲得したロッテ、他チームも未知数な部分が多いです。そう思うと来季の開幕が今から楽しみですね。
最後に予想(願望)の来季スタメンと順位予想を書いて終わります。
1中 後藤
2二 大城
3右 吉田正尚
4DH ロメロ
5一 マレーロ
6左 T-岡田
7三 小谷野
8遊 安達
9捕 伊藤
来年はオリックスにいい風が吹いてほしいですね。