大学では具体的に何をするのか

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 ついに私、小栗ジョンは大学を卒業しました。他のブログ記事で書いた通り、入学直後は他人と一切話せず闇落ちしたり、自律的な生活を維持出来ず闇落ちしたりして2回留年しましたが、3回生4回生と何とかストレートに進級して卒業に至りました。大学退学してニート and 自殺コース一歩手前まで落ちてたことを考えれば、よくここまで来れたなと感慨深いです。

 

 さて、僕が大学を留年した1つの原因として、「大学を知らなかった」こともあると思ってます。現在の日本社会において、高卒で就職するケースがどんどん減っており大学に通うのが当たり前になってきています。そのため、周りに流されるまま何となく大学に来る人も多いはずです。それは留年リスクが高いです。

「高校は義務教育ではありません」とか言われながらも、何だかんだいって高校は小学校・中学校とほぼ同じようなものでした。決められたクラスのメンバーで・決められた教室で・決められた時間割に沿って授業を受けます。毎年決まった時期に全ての教科で定期試験を行い、授業態度と合わせて成績をつけます。

 しかし大学は全然違います。メンバーも教室も時間割も全てバラバラ、評価方法も講義によって全然違う。小学校→中学校→高校→…のノリで大学に来ると僕のように失敗する可能性が高いでしょう。

 

 じゃあ大学はどういうところなのか。ググって調べようとしても、「大学生は自主的な学びをするところです」みたいなふわっとした内容ばかり。大学のホームページはそれっぽいカリキュラムと無駄にかっこいい講義名くらいしか書いてません。

 そういうわけで、大学では具体的に何をするのか、高校生向けに説明していきたいと思います。これを読めば大学生活をスムーズにスタートできるはずです。一応どの大学でも共通すると思われることだけ書いていきますが、他の大学・学部・学科によって違うことも多々あるので、その点は注意して読んでください。

 ちなみに僕の所属は「近畿大学理工学部理学科物理学コース」です。今回は大学全般のことついて書きますが、物理については次回書こうと思います。

 (2021/06/26追記:一本の記事にできるほど物理のネタを絞り出せなかったので書きません!)

 

 

 

大学の基本

大学は勉強するところ

 

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 具体的な話に入る前に前置き。至極当然のことを書きますけど、「大学は勉強するところ」です。大変恥ずかしながら、自分はその意識が欠けていました。

 最近、「大学生が分数の計算を解けない」などと大学生の学力低下が叫ばれており、「大学生は小・中学生レベルの勉強しかやらないのかな?」と誤解されるかもしれません。ですがそれはランクの低い大学・学部でない限り絶対あり得ません。それどころか高校よりワンランク難しい勉強をやります(当たり前なんですけどね!)。

 理系だと分数の計算が出来ないと進級すらできませんし、文系でも就職活動時のSPI検査で分数の計算が必要になります。たとえ分数の計算が出来なくとも、それより難しい勉強をしているのは間違いないです。

  

 あと高校生のとき言われがちな言葉について。

 「受験勉強は人生で1番勉強する」とかよく言われますが、それは(自分にとっては)でした。学校や塾が受験生にハッパをかけるために言ってるだけであって、大学の方が高校より上なんだから当然高校より勉強します。それに社会人になってからも仕事内容を覚えるため・資格を取得するため勉強します。高校で勉強が終わることは普通無いです。

 「(東大や京大など)偏差値が高い大学へ行くと後で楽できる」とかもよく言われますけど、それもです。偏差値が高い大学へ行くとそれだけ勉強内容が難しくなります(これも当たり前なんですけどね!)。勉強が難しいので能力が身について就職活動が有利になって待遇の良い職に就ける…という意味で楽なのであって、入っただけで楽になれる訳ではありません。自分ももっと下の大学行ってたら2回も留年しなかったでしょうが、その代わり人間的成長はなくマトモに就職すら出来なかったでしょうね。

 

 「大学は勉強するところ」、その当たり前の意識をもって大学生活をスタートして欲しいです。

 

 

 

学部・学科

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 高校生が大学選びのときにまず調べるのは、学部・学科でしょう。

 高校教育は学習指導要領に従って進められるので、どの学校選んだところで難易度こそ差があれど、勉強内容は大体同じになります。しかし大学教育は基本的に自由なので、学部・学科によって勉強内容が全く違ってきます。

 近畿大学東大阪キャンパスには、以下の学部があります。ちなみに近大マグロで有名な生物理工学部は和歌山キャンパスにあります。

・法学部

経営学

・経済学部

理工学部

建築学

・文芸学部

・薬学部

・総合社会学

・国際学部

短期大学部

 

ここからさらに学科・コースが分かれます。理工学部の学科・コースを見てみます。

・理学科(数学コース、物理学コース、化学コース)

生命科学

・応用化学科

・機械工学科(機械工学コース、知能機械システムコース)

・電気電子工学科(エレクトロニクス・情報通信コース、エネルギー・環境コース)

・情報学科(情報システムコース・情報メディアコース)

・社会環境工学

 

 「学科ごとに学校が違う」というイメージでいいと思います。教授、研究室、講義、学生の学力、雰囲気、不文律など、学科ごとに全く異なります。各学科ごとに組織として独立していて、学科を跨いだ関わりは研究室間でも学生間でもあまりありませんでした。

 

 

 学部ごとにどこの校舎を使うか大体決まっています。なので学科が違っても学部が同じ人なら、校舎内ですれ違うことはたまにあります。逆に学部が違う人とはほとんど顔を合わせません。

 理学科では一般教養は17号館(講義室しかない館)、専門科目は31号館(研究室がある館。割とボロい)、情報系科目は38号館(研究室がありコンピュータ設備が整っている館。とてもきれい)が基本でした。それぞれ隣接しているので移動に時間はかかりませんでした。

 

 各学科でどのような学習をするのかは、各大学のパンフレットやホームページを確認してみてください。近畿大学のホームページは1年ほど前にリニューアルしていて、統一されたデザインで非常に読みやすくなっています。

www.kindai.ac.jp

 

 さらに詳細な内容を知りたい場合は、シラバスを見ることをオススメします。取得できる単位数、開講時期、全15回の講義内容、使用する教科書、講師への連絡先、評価方法などが記載されており、学生はこれを見ながら受ける講義を決定します。

 大学によりますが、Webで誰でも見れるようになっているのでぜひ。

www.kindai.ac.jp

 

 できるだけ多くの情報を調べて、自分に合った大学・学部・学科を見つけましょう。

  

クラスがない!

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 高校生が大学に来て1番感覚が狂う部分は、クラスが無いことでしょう。クラスが無いことによって変わるポイントを3つ挙げてみます。

 

 1つ目、自分の机やロッカーといったものが無くなります。学校に何か置いておくことが出来なくなるので、分厚い教科書や実験ノートなどが必要な日は文字通りヘビーですね。ただ授業時間が伸びる代わりに授業数は減るので、高校ほど参考書が必要になる日は無いでしょう。

 2つ目、同級生同士の関わりが薄くなります。人数が多いので全員が自己紹介する時間など無く、ゼミや実験で同じグループになるくらいしか知り合う機会がありません。良くも悪くも人間関係が構築されにくいです。まあ必修科目ではずっと一緒の空間にいるので、卒業までに話したことがなくとも顔と名前くらいは全員わかる程度にはなりますが。

 

 3つ目、学生が教授から個別に気にかけてもらえないこと。(語学やゼミを除けば)講師はどんな名前・顔の学生が受講しているのか把握していません。出席確認や座席指定がない講義ならば、履修登録せず受けててもバレないレベルです。なので、レポートを出さなかったり休みまくったとしても一切気にされませんし連絡も来ません。単位落としても留年しても自己責任。

 うちでは一応、各学年に一人ずつ担任の教授がいますが、各学生がどれだけ出席してるか・何単位取ってるかなんて全然把握してませんし、留年しそうだから単位出してやろうとか絶対無いです。

 このように自由で自己責任な環境のため、ついサボってしまい留年・退学へと至る学生が続出するのです。友達同士でも「あいつ帰ったん?」「出席足りんやん(笑)」みたいな会話してるのがよく聞こえてきます…。

 

 開放的な環境になるので、遊ぶことに浮かれてサボらないことが大事です。

 

大学の教育システム 

時間割

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 学期初めのオリエンテーションを終えたあと、自分で好きな講義を選んで履修登録します。いくつ履修するかは完全に自由です。特に講義の事前紹介はないので、シラバスの情報を元に決定します。近畿大学の場合、UNIPAという大学専用サイトにアクセスして行います。

 

 大学によりますが、時間割もWebで誰でも見れるようになっています。僕はいつもこれを見て講義室の確認をしていました。

 前期と後期で開講される講義の種類は、再履修科目を除いて全て異なっています。開講される学年、学期、時限、講師は基本的に固定です。

www.kindai.ac.jp

 

 学期1週目はお試し期間になっていて(別に規則で決まっている訳ではないがそういうノリになっている)、その間は履修登録してなくとも受講できて出席もカウントされないことが多いです。講義内容の説明だけの数十分で終わることが多いので心踊る期間です(笑)約2週間は履修登録の修正ができるので、「思ってたのと違う…」となったら取り消しても大丈夫です。

 

 基本的に自分の学年以下で開講されている講義を受講できます。例えば1回生は1学年の講義しか受講できませんが、2回生は1学年と2学年両方の講義を受講できます。

 単位を落としても再履修することは可能です。仮に1回生で1学年の「力学Ⅰ」が不合格だった場合でも、2回生でもう一度「力学Ⅰ」を受けることができます。数字が書いてある科目がいくつかありますが、たとえ「力学Ⅰ」が不合格でも「力学Ⅱ」を受講できます(理解につまづく可能性がありますが)。

 

 時間割が被っている講義は当然、どれか1つしか受けられません。一般教養の大半は被っており、僕は「企業倫理と知的財産」と「プレゼンテーション技術」を両方取りたかったので3回生と4回生で分けて取りました。

 被りが多い時限は不合格になっても再履修できない場合があるので、単位が足りない人は要注意。例えば前期月曜2限において「微分積分学Ⅰ」を落としてしまうと、「環境と社会」「放射線物理学」「現代物理学Ⅰ」を含めた4つのうちどれか1つは単位取得不可能になります。

 

 文系では人気講義が抽選になるとかいう話は聞いたことありますが、うちの場合は一切ありませんでした。履修登録が少なすぎて開講しない…ということも特になし。

 

単位

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 いよいよ、大学生が苦しめられる単位について説明します。

 講義を受講して見事合格すると、単位を取得できます。ほとんどの講義が2単位、語学が予習復習いらないという理由で1単位、2限に渡って行われる講義が3単位となっています。卒業には合計124単位が必要です。

 

 科目分類は以下の通り。

共通教養科目

 一般教養と呼ばれる科目。文章の書き方・法律の基礎・国際経済・人権問題など、社会人としての常識知識を幅広く取り扱います。非常に単位が取りやすい、必修はほぼ無いので自分の興味に合わせて取れる、専門科目に比べて実学的な学びができる…とお得な科目です!(と僕は思ってるのですが、一般的にはあんまり人気無いようです。)

 注意点としては、科目名は大学が全学部共通でネーミングしただけであり、担当する講師によってやることが全く違います。なのでちゃんとシラバスを確認して受講しましょう。(例えば「科学的問題解決法」という講義名で、何故かGPSの仕組みの話をする講義がありました。)

外国語科目

 英語が中心ですが第二外国語もあります。英語は入学直後に行われる試験の結果に応じてクラス分けされます。先生によっては和気藹々とした雰囲気で楽しいです。

専門科目

 メインディッシュ。単位が相当数必要になるにも関わらず、ガンガン落ちます。全部出席して全部ノートとって全部レポート出しても、試験の点数が悪かったら平気で落とされます。なので興味がない内容だったり、1限や5限など出席が辛い時限だったりしても、片っ端から取っていく気持ちでないと厳しいです。

 当然高校より難易度が上がる…にも関わらず、高校までと違って、講義中に復習や問題演習をあまりしません。なので講義外で勉強するのは必須です。1回生の科目は高校の内容に毛が生えた程度なので油断しやすいですが、2回生の科目から本気出してくるので覚悟が必要。

教職課程科目

 教職(学校の先生になるための教育課程)をとる人だけが受けられる科目。単純に受ける科目数が増えるので忙しくなります。介護実習や教育実習などもあるようです。ちなみに教師志望でなくても教職とってる人は意外といます。

 

さらに単位の必要性に応じて以下の分類があります。

必修科目

 卒業までに必ず取らなければならない科目。心配する新入生は多いのですが、うちの場合は必修科目を落としても即留年する訳ではありません。卒業までに再履修して合格すれば大丈夫です。

 そして、必修科目だから救済措置が充実しているとかは特になかったです。落ちるときは落ちます。なので必修科目では教室が人で溢れかえります(笑)

選択必修科目

 選択必修科目の中から指定された数だけ取らなければならない科目。例えば『「ライティング1」「ライティング2」「科学技術英語1」「科学技術英語2」の中から1単位』など。

選択科目

 ここで挙げた他の分類に当てはまらない科目。だいたいこれ。

自由選択科目

 取っても進級・卒業条件にカウントされない科目。他学科履修などが該当。

 

 

 進級条件、卒業条件が各学年ごとに設定されており、「外国語科目○単位」「専門単位○単位」「合計○単位」などの条件となっています。これを満たさなければ留年します。

 そこそこ複雑な制度になっているので、トラップが各所に存在します。特にひっかかりやすかったのは、専門科目の中で「基礎科目(数学化学情報など)」と「専門科目(物理)」で分かれていたこと。もし単位を計算するとき「専門科目」と「専門科目の中の専門科目」を混同してしまうと、えらい目にあいます。

 こういうぱっと見ではわかりにくい制度になっているので、シラバスを読み込むことは必須です。オリエンテーションで分厚い冊子となって配布されると思うので、なくさないように。

  

講義の流れ

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 さて、大学の講義は一体どのように行われるのでしょうか。

 

 高校までの授業時間は基本60分でしたが、大学での講義時間は90分になります。慣れるまで少し辛いかもしれません。ただ講義数は減るのでそこは安心です。

 講義の行われ方は講義によって全然違いますが、1番最初の回でちゃんと説明してくれます。細かいルールも講義によって違っていて忘れやすいので、一応メモしておくことをオススメします。

 

出席

 近畿大学理工学部では、2/3以上の出席が原則でした(つまり5回欠席するとアウト)。遅刻は0.5回の欠席扱いになります。学部ごとに出席回数は異なるらしいです。出席日数が足りないと、たとえレポートを出そうが試験で満点取ろうが教授に土下座しようが単位はもらえません。簡単な科目で単位落とすケースはほぼ全てコレが原因なので、出席さえできれば1回生から留年することはないでしょう。

 出席の確認方法ですが、近畿大学ではほとんどの講義でカードリーダーに依存していました。講義室内の出入り口付近にカードリーダーが設置されており、学生証をタッチすると出席になります。出席日数はUNIPAで確認できます。親御さん向けのUNIPAからも出席確認できるようになってます。

 タッチだけして帰る・友人に学生証を渡してタッチしてもらい自分は帰ってるズルい学生はよくいました(笑)そのため、学生証だけでなく出席カード or 点呼で出席をとる、座席固定にすることで出席状況把握する、毎回小テストを行う…などの対策がよくされてました。もし不正がバレた場合は出席が取り消しになりますし、最悪その時点で履修取り消しになるケースもありました。

 ごく一部でしたが理工学部の規則を破って、講義を全部欠席しても試験で点数取ればOKという科目もありました。逆に3回欠席でアウト・電車の遅延による遅刻も認めないという厳しい科目もありました。

 

 5回欠席するとアウトということですが、逆に言えば4回欠席までなら単位は取れます。ですが意図的に4回休もうとするのは大変危険です。うっかり欠席回数のカウント間違えてしまうなんて目も当てられませんし(1回やらかしました)、寝坊した、体調を崩した、カードリーダータッチし忘れたなどのリスクもあります。全て出席するつもりで行きましょう。

 

退室

 大抵は退室自由です。僕はよくお腹壊すのでありがたかったです。

 僕が経験したのは厳しい順に以下の通り。 

退出原則禁止

退出時に学生証を置いていく(そのまま帰るのを防止)

退出時に先生かTA(講義をサポートする上回生)に一声かける

退出自由だが頻繁に出入りしていると怒られる

退出自由

退出時に先生に一声かけると「大学生なんだから勝手に出ていってよ」と逆に怒られる

  

携帯

 大抵は携帯使用OKですが、ずっと下向いて携帯弄ってると講師は不快なので注意されるかも。

 僕が経験したのは厳しい順に以下の通り。

使用禁止

調べる・資料見る目的のみ使用OK

LINEやゲームでなければ使用OK

使用OK

 

携帯での撮影

 大抵は撮影OKです黒板が見えない箇所を撮影してそれを拡大するテクニックを使う人は結構いました。板書が間に合わないとかでなければ、ノートに文字書いた方が内容が頭に入るはずなので、片っ端から撮影するのはオススメしません。

 僕が経験したのは厳しい順に以下の通り。

そもそも携帯使用禁止

撮影禁止

シャッター音出さなければ撮影OK

撮影OK

 

 

私語

 どれだけ緩い講義であっても、漏れなく全ての講義で私語厳禁です。耳障りになるので。おしゃべりしたかったら出て行って(終わったら帰ってきて)と言われることも多々あります。

 にも関わらず、喋る人は一定数いる。居眠りしてても厳しい教授でない限り注意されないし成績も下がらないので、喋りたくなるくらい退屈なら寝るべきだと思います。

 

内職

 講義と関係ない勉強・宿題をすること。これはそもそも、講師が途中で教室を回るとかしない限りやっててもバレない。なのでOKなのかどうかよくわからない。

 講師が途中で教室回るときはすなわち問題演習の時間なので、その間は控えてやるべきことをやるのが無難。

 

成績評価

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 大学における成績評価は、「レポート」「講義中の課題」「定期試験」の3つで配分されるのがほとんどです配分の割合は講義によって異なります。

 成績評価は100点満点で採点され、60点以上で単位取得となります。59点とかだと温情で60点に上げてくれたりする(なので僕の成績表は60点だらけw)。

 

レポート

 大学生になると「レポート」とかっこよく口にしますが、これは単なる「宿題」です(笑)特に理数系の専門科目では、教科書や配布プリントに書いてある問題を解くだけのことも多いです。文章を書くレポートとしては、物理学者を調べてまとめるとか、講義を通して学んだことを書くとかありました。

 文系では、表紙がーー文字サイズがーー文字数がーーなどと色々条件が課されるらしいですが、少なくともうちの学科では特に何もなかったです。表紙があったりなかったり、手書きだったりWordだったり。ただし、何か指定された場合は必ず守ること。

 

 理系で辛いのはやはり実験レポートでしょう。実験目的・理論・実験方法・実験結果・結論・考察。冒頭は資料の記述をいい感じにまとめればいいのですが、実験結果では正しい計算がされてるか(有効数字、誤差など)、考察では定量的に論じられているか(AはBより長いので→AはBより2.0cm長いので)、徹底的にチェックされます。

 考察では実験誤差は何が原因なのか、理論に合った結果と言えるのかなど、自分でロジックを考えて書かねばならないので大変です。コピペ防止のため、実験レポートの見本が一切渡されないのも辛い。

 他の専門科目のレポートは出してるか出してないかレベルでしか確認されないですけど、実験レポートだけは先生に認められるまで再提出をエンドレスで繰り返します。

 

定期試験

 中間試験(臨時試験)は一部の専門科目で行われます。定期試験は一部の一般教養除いてほぼ全ての科目で行われます。

 定期試験は座席指定、時間は60分。持ち込みは基本NGですが、ノート教科書のみOK、A4のカンペ1枚のみOKの科目もありました。

 

 再試験は正当な欠席理由を証明できない限りありません。寝坊したらその時点でEND(1回やらかしました)。再試験は受けたこともないし話も聞いたことないので、どのように行われるのか一切知らないです。

 カンニング、進級がかかってるのでやる人もいるかもしれませんが…。近畿大学の場合もしバレたら、その科目だけでなくその学期の全ての科目で単位取り消しになるので超ハイリスクです。ほぼ留年確定です。それでも見つかる人が毎年いるらしいんですよね…。

 

課外活動

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 大学は勉強するところとはいえ、空き時間が相当あるのは事実なので、勉強以外での本格的な活動(課外活動)も絶対すべきです。なぜなら、就職活動では課外活動で得られるスキルが必要だからです。

 企業の採用選考では、学生が仕事で必要な能力を持っているかが問われます。ただし大学新卒では、英語やプログラミングなどの実践的なスキルはあまり問われません(企業による)。問われるのは、コミュニケーション能力をはじめとする人間力です。

 

社会人基礎力チェックリスト

https://issn.or.jp/pdf/checklist_02.pdf

 

 社会人基礎力という枠組みで例にあげると、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つが必要です。これらを学生生活の間に身につけておくと就職活動が有利になります。

 しかしここで考えてほしいのが、「大学で学業やっているだけで全て身につくのか?」ということです。学業は結局のところ個人で勉強するだけであって、集団で協力して何かを成し遂げる活動は無いに等しいです。ゼミや卒業研究でも複数人で議論こそすれど、一緒に協力して成果を出す訳ではありません。

 すなわち、学業で身につくのは「考え抜く力」のみで、「前に踏み出す力」「チームで働く力」身につきません。したがって、この2つは課外活動で身につける必要があります。

 

 課外活動の代表的な例として、部活動とアルバイトについて説明します。 他にもボランティアやインターンシップなどが定番ですが、ネット小説を毎日書き続けるとか、オンラインゲームやり込んでランキング上位狙うとか、なんでもいいのでPDCA回す経験を積むことをおすすめします。

 

部活動

 大学では「サークル」と呼ばれることもありますが、学校から公認され援助を受けているのが「部活動」で、そうでないのが「サークル」です。とはいえ、部活動でもサークルと呼ばれることもありぶっちゃけ明確な区別はなかったです。

 僕は文化会に所属していました。体育会の様子は全然知りません。ちなみに野球部などバリバリ活動している部活の部員はほぼ経営学部か法学部で、理工学部なんていません。時間的に無理だと思います。

 顧問はいますがほぼ顔を出さず、学生が主体となって部活を運営します。活動内容もお金の使い方も全て学生が決めていくので、役職に就いた学生が責任をもって働き、部員もルールを守って活動する必要があります。

 

 僕は部活動のおかげで幼稚園児レベルのコミュ力から最低限のコミュ力まで伸ばせました。展示会のシフトや文化祭の準備による無給労働もいい経験になりました。学年や学部を超えた友人関係を作れるのも部活動だけです。

 大変なことも多いので遊ぶ気満々で入部するのは危険ですが、時間が空いてるならぜひ入部してみましょう。

 

アルバイト 

 「学生は学業が本分」というプライドの元、ほとんどの大学教授が忌避しています。アルバイトを奨励する教授なんて僕は見かけませんでしたし、アルバイトで休むとかいう人がいればボコボコにされます。「アルバイトするくらいなら携帯解約しろ」とかいう過激派までいました。就職活動においても、アルバイト経験の話はいらないと各所で言われます。

 しかし、実際はほとんどの大学生はバイトやっていますし、うちの学科で成績トップクラスの人もがっつりバイトやってます。そもそも働かないと学費や生活費が足りない人も多いでしょう。

 

 それに、アルバイトだって(職種によりますが)人間的成長が見込めます。接客業でお客さんと気持ちよくコミュニケーションがとれるか、リーダー的ポジションになったとき職場をうまくまとめられるか、家庭教師になったとき生徒にわかりやすく教えられるか…就職前にそういう経験を積めるのはアルバイトならではの魅力だと思います。

 週5週6で入るレベルなら確かに見直すべきですが、そうでないなら全然やっていいと思います。

 

留年事情

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 最後に「留年したらどうなるか」についても書いておきます。

 大学から成績表と一緒に、「単位足りんからお前留年な」と通知が来ます。そして後に奨学金が止められます(進級すると再開できました)。学期初めのオリエンテーションは留年生のみ集められ、反省文を書いた後に担当の教授と面談します。

 …というだけで他は特に何もなく。同じように大学に通って単位を取るだけです。留年生は全然珍しくないので、周りから変な目で見られることもないです。友達と一緒に講義を受けられなくなるのが1番辛いかもしれません。まあ友達もろとも落ちてる人も少なくないですけど…。

 

 一応、入学年度による年功序列になっているので、敬語を使われることが多かったです。個人的にはタメでも敬語でも統一してくれればどっちでも良かったですね。そして入学年度が違うから避ける…とかはなく、実験で同じグループになったりしても普通に仲良くなれました。

 就職活動にもあまり影響しません。留年する原因を聞かれてしまったときも、堂々と返答できれば問題なし。留年について一切触れてこないこともあります。

 

 ちなみに、物理学コースの留年事情はとんでもないことになっています…(笑)近畿大学理工学部の留年率が6.8%というデータは公開されていましたが、それより遥かに高いです。僕も具体的なデータは出せるのですが、プライベートな情報だと思われるので伏せておきます。

 「うちのコースは留年率高すぎ」って教授の間でも話題に上がるほど。それでも最低限のことができない学生は容赦なく落とします。ゼミで発表できなかった自分をスパッと落としてくれたからこそ今の自分があるので、この厳しさには感謝しています。

 

 

終わりに

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 大学入学前の自分に言い聞かせるように、また大学での経験を振り返るように書きました。ボツになった文章もたくさんあるのですが、その代わりいい感じにまとめられたと思います。「高校までとはガラッと環境が変わること」、高校生はそれだけは覚えておいて欲しいです。

 

 ここまで読んでくださりありがとうございました!

 

 

【更新履歴】 

 2021/06/26

マイナビの社会人基礎力のサイトがなくなっていたので、社会人基礎力チェックリストにリンクを変更。

物理学コースの留年率の部分を読みやすいように修正。