2019年シーズンのオリックスバファローズ振り返り

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 明けましておめでとうございます。

 年を越してしまいましたが、毎年お馴染みとなった自分以外読んでいないオリックス振り返りシリーズを投稿します。まあ自分が読んでるからええねん。

 

 

   まずは他球団についての雑談を。

 

 9月24日、この日の試合で全チームの順位が確定するという珍事が発生しました。まさか西武が菊池浅村炭谷が抜けた戦力で優勝するなんて思いもしなかったです。

 去年より強くなったところと言えば、救世主ニール、復活したおかわり君、そして80登板の平井でしょう。平井、流石に9点差でも投げさせてたのはマズいと思うのですが、来シーズン大丈夫でしょうか…?

 2014年の酷使によって佐藤達也や比嘉などリリーフが壊滅した2015年のオリックスを彷彿とさせて不安になります。…まあ他球団の心配してる場合じゃないんですけどね!!

 

 日ハムが意外と弱かった。去年の記事の順位予想ではこんなことを書きました。

日本ハムは打線が強力。西川、太田、近藤、中田、王、清宮、渡辺、清水、中島…って感じでしょうか。特に王、清宮、渡辺がブレークすれば日本一にもなれそうな恐ろしさがあります。逆に不振であれば他に目ぼしい野手が少ないことから、もっと下の順位になることもあるでしょう。

 「主力野手が不振であればもっと下の順位になることもある」と予想した通りになってしまいました。日本の4番だったはずの中田が一向に復調しないし、絶大な注目を浴びていた清宮もまだ覚醒せず。ほぼ全球団のスカウトが目を光らせていた台湾最強打者の王も期待外れで、横尾と石井も成績を上げるどころか下がってしまった。

 さらに控えの野手が貧弱で、レアードや太田賢吾を出す余裕あったのかという。2軍にも数年の間に活躍出来そうな選手はいないので、かなりマズイ状態です。「育成の日ハム」とは何だったのか。

 

 采配も怪しく、特にオープナーが疑問。強力な上位打線をオープナーが抑えて、投げやすい下位打線から先発が投げる…という意図はわかるのですが。

 日本では1、2番に強打者を置く打線が定着していません。強打者はクリーンナップに置くのが定石となっています。ソフトバンクはその傾向が顕著で、1、2番よりも下位打線の方が強力なくらいです。

 そんな状況でオープナーやっても、立ち上がりがクリーンナップから始まる本来の先発が、むしろ危なくなると思います。特に結果も出ていませんし、やり方を考えないといけません。

 

 …そんなボロクソに言ってしまった日ハムを下回る弱さだったのが、オリックスですね!!!

 

 

去年の振り返り記事を見てみる

okurashougi.hatenablog.jp

 
開幕スタメン予想
1.中 宗
2.遊 福田
3.DH  メネセス
4.左 吉田正尚
5.右 ロメロ
6.三 頓宮
7.一 伏見
8.二 西野
9.捕 若月

 

実際

1.二 福田
2.中 西浦
3.DH  メネセス
4.左 吉田正
5.三 頓宮
6.右 小田
7.一 T-岡田
8.捕 若月
9.遊 安達

 

全然合ってねぇ…(笑)オープン戦ではこの福田西浦に始まる上位打線が非常に機能し、オープン戦で12球団最高打率.256を記録(ついでに最高防御率2.26)。しかし開幕すると揃って調子を落としていき…はい。

 

順位予想

1位:ソフトバンク
2位:日本ハム
3位:西武
4位:楽天
5位:オリックス
6位:ロッテ

 

実際

1位:西武
2位:ソフトバンク
3位:楽天
4位:ロッテ
5位:日本ハム
6位:オリックス

 

いやー当たらないですね本当に。オリックス目線ではロッテが何故強かったのかわからないのですが(15勝9敗1分け)、ロッテはソフトバンクキラーっぷり(17勝8敗)を発揮して4位に。オリックスは上位チームにも五分で戦える力が欲しいですね。

 

 

西村新監督の采配

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走る将軍オリックス西村監督就任 走塁が来季のキー - プロ野球番記者コラム - 野球コラム : 日刊スポーツ

 

 3年間務めた福良監督が退任し、今年から西村監督が就任しました。それによりどう采配が変わったのでしょうか。

 

 

 福良監督の投手起用がおかしいことは去年書きました。リードビハインドではなく点差によって投手起用しているため、特定の投手の負担が大きくなっていると。去年は稲尾さんを抜く月間最多登板記録を山田が作ってしまいましたし、トミージョン手術で育成降格することになった黒木も福良采配の被害者と言えるかもしれません。

 

 しかし西村監督のリリーフ起用は安心して見られました。

 開幕3戦目の日ハム戦、1-3の3点ビハインドの場面で8回9回、山崎福也を登板させました。今までは予備先発要員という謎枠でベンチに塩漬けされていましたが、ついに普通にリリーフとして登板させてもらえました。これで特定の投手に負担がかかる采配から脱却したのかと、胸を撫で下ろしたものです。まあ山崎福也は安定せず後半戦はずっと2軍だったんですけど。

 先発を長めに投げさせたのも良かったです。リリーフへの負担が今までより少なく、怪我なく来シーズンを迎えられそうですね。

 


 しかし野手起用は疑問で、守備位置を固定しないのはやめてほしい。意味不明な秋キャンプのスタメンから嫌な予感があったのですが…。

 
 頓宮(キャッチャー)をサード守らせたり、西村(キャッチャー→外野)をサード守らせたり、宗(ショート→外野)をサード守らせたり、安達(ショート)をサード守らせたり…どんだけサード好きやねん(笑)

 来季は中川、西野、勝俣、白崎、山足あたりで守らせれば十分でしょう。余計なコンバートはいらない。

 

 色んなところを守れるようになってほしいみたいなこと言ってた気がしますが、打てる人がポジション被ってるとか特にない訳ですから、僕的には守備位置は固定させて欲しい。白崎のファーストとか素人目から見ても怪しい。

 辻監督は源田を一年目から起用し続けた理由について、とにかく守備の要である二遊間を固定させたいと言っていました。守備位置を固定する事で守備を安定させ、打撃に集中することも出来るはずです。

 

 

 終戦での監督の挨拶では、球場の様子が今までと大きく変わっていました。ヤジが飛びまくってた去年以前より順位が落ちたにも関わらず、温かい拍手が送られていたのです。インタビューで無愛想に他人事コメントをしていた福良監督とは違い、いつもファンへの感謝を口にしていた西村監督。その人柄の良さが現れたのだと思います。最終戦を気持ちよく勝利したのもあるでしょうね。

 いつもヤジ飛ばしてた人がファンやめて球場来てない可能性。

 

 

 

NPBを代表するエース、山本由伸の誕生

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オリックスの“神童”山本由伸「二十歳の決意」 | BASEBALL KING

 

 今年の戦力について、「西金子の穴がー」ってにわかが言ってましたけど、先発候補はいっぱいいるからそこまで痛手じゃなかったですし、実際先発に苦しんだことはありませんでした。むしろ怪しかったのはリリーフと打線。

 オリックスの先発で真っ先に話題に上がるのは、やはり山本由伸でしょう。セットアッパーから先発に転向し、高卒3年目ながら防御率1.96という驚異の数字を叩き出しました。

 1年目から二軍で防御率0.27とバケモノみたいな成績を出し、メジャーに行く前に大谷が一番凄いと言った投手だったとはいえ、まさかここまでやるとは…。オリックスから、しかもドラ4で、NPBトップクラスのピッチャーが出てくるなんて誰も予想していなかったでしょう。

 

 自分が印象に残っているのは入団1年目である2017年に初先発したロッテ戦。1-2と一点リードの状況でプロ初勝利の権利がかかった5回表、ワンアウト一二塁という大ピンチを迎えたところで打席にはベテランの井口。

 制球が定まらずフルカウントになったところで、何と若月のサインに首を振る。そして投げた球は完璧、変化球を引っ掛けさせて見事ゲッツーに打ち取りました。…あのマウンド度胸は半端じゃねぇと感心しました。なお直後の6回に岸田がソロHRを浴びて一瞬で勝ち投手の権利喪失。

 

 そして今年の初先発はエグかった。強打者揃いのソフトバンク相手に、8回までノーヒットノーランという神がかったピッチング。久しぶりに野球を見ていて心が震えました。先発に再転向しての初登板は、9回100球無失点という最高の結果で終えました。なお試合は引き分け。

 最終戦の一試合前では6回1/3を5失点と炎上したもの、規定投球回がかかった最終戦では見事に6回1失点に締める!いつも最終戦はグッダグダな試合ばかりだったので、気持ち良くシーズンを終われて本当に良かったです。

 

 そしてプレミア12での大活躍。前回のプレミア12はリリーフ投手の選出が少なかったのが仇となり敗北してしまいましたが、今回は甲斐野・山本・山崎という鉄壁の守りが活きて見事に優勝!

 甲斐野はテレビに目をやる間も無く一瞬でスリーアウト取ってたのでほとんど見れませんでしたが(笑)、山本のピッチングは一球一球しっかり見てました。…化けもんかよと。

 いつもの決め球はスライダーやカットボールなのですが、プレミア12で投げたのは149km/hのフォーク!球が速い上に変化量も半端ない、おかしいよこれ…。まだ進化するんですかと、空いた口が塞がらない。ついでに山本をリードしてバッティングも上々だった會澤捕手下さい。

 


 長々と山本由伸の話をしましたが、最高勝率のタイトルを獲得した山岡、自身初の完封勝利を挙げた竹安、プレミア12で強打の韓国打線を0点に抑えた張、他にも榊原・K-鈴木・田嶋・荒西と若手の先発陣が揃っています。先発だけは他球団と遜色ない戦力であると言えます。

 

 

打てない打線

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         例のGIF

 

 オリックスの最大の弱点は、吉田正尚とロメロがいないと点が取れなくなる打線です。ロメロは今シーズン打率.305、ホームラン18本と大活躍したものの、故障しがちで出場試合が少なかったのが難点。

 ロメロが一軍にいる時といない時のチームの成績を調べてみたところ…

トータル  :61勝75敗7分け(勝率0.427)

ロメロ在籍時:43勝33敗3分け(勝率0.544)

ロメロ不在時:18勝42敗4分け(勝率0.281)

 

 …と、ロメロがいる時のオリックスは大きく勝ち越していることがわかりました。これだけ貢献したロメロが来季いないという…。ジョーンズにはロメロを超える活躍が必須ですが、きっとやってくれるでしょう。

 

 

 吉田正尚とロメロ以外の野手は悲惨な結果でした。

 メネセスは3月の国際試合で大活躍し首位打者間違いなしとまで言われたものの大した打率を残せず、ファーストミットが破けるタイムリーエラーをかまし、最後には薬物使用により解雇。くそ。

 頓宮はチームのシーズン初打点を挙げるなど高い打力(オリックス比)を見せつけたものの、サードでエラーを連発。捕手再コンバートを発表した直後の6月末に骨折。

 西浦は守備ではレーザービームを連発するなど目覚ましい活躍を見せたものの、打撃は打率.195と酷い。高卒2年目だから仕方ない面もありますが、駿太や小田がそれを大きく上回る打撃が出来なかったのも残念。

 

 オリックスに必要なのは、3割30本まではいかなくとも、2割8分10本くらい撃てるバッター。楽天でいうならば茂木・島内くらいの選手。それが2、3人いれば一気に打線に厚みが増すはず。

 中川・宗にはそれくらい打ってくれることを期待しています。

 

 

 ポジション別に見ると明らかに捕手が穴。

若月 0.178 (298-53)

伏見 0.164 (61-10)

松井 0.194 (36-7)

飯田 0.000 (13-0)

高城 0.182 (11-2)  →戦力外

山崎 0.000 (8-0)

 

 死屍累々。この状況で大卒捕手が豊作な年にも関わらず、高卒捕手を育成で一人指名したのみ。なお伊藤光.254

 とはいえ、2018年には若月は.245、伏見は.274も打っています。頓宮の再コンバートもあります。既存戦力の覚醒に期待しましょう。

 

 

 

 2020年シーズンの順位予想

 各球団のオフシーズンの動向を踏まえて、来シーズンの順位予想をしたいと思います。

 オリックスのドラフトのお話は大体ここに書きました。

okurashougi.hatenablog.jp

 

 いつものように即戦力に飛びつかず、将来有望なリリーフや内野手を獲得したのは好感です。しかしそれは、短期的な戦力アップは見込めないのであって…。正直来季は厳しいでしょう、少なくとも優勝は。

 一応強くなってるんだけど、他球団がそれを上回る勢いで強くなってるから追いついていない。高卒野手たちがレギュラー張れるようになるまで、数年は我慢の年が続くと思います。

 


 ソフトバンクのドラフトは、今振り返るととんでもないことやってるなと唸りました。高卒乱獲ドラフトを繰り返してきたソフトバンクが、珍しく佐藤・柳町と即戦力外野手を2人獲得。これは恐らく福田流出を想定しての指名。サブまで戦力を整える手堅さ、凄まじいですわ…。

 さらに甲斐・高谷・栗原と捕手が充実しているにも関わらず、大学生ナンバーワン捕手の海野を獲得。ベテランの高谷の後釜としての指名らしく、何年も先を見据えた戦略にもう言葉も出ません。

 

 ソフトバンクはシーズン途中にMLBドラフト一巡目指名のスチュアートを獲得、さらにシーズンオフにはバレンティンを獲得。そして柳田がなんと7年契約を結び、メジャーや広島に行くことなく生涯ホークス宣言。去年の記事では「ソフトバンクは柳田が居なくなったあとが落ち目」と書きましたが、落ち目なくなったやん…。

 内川の代打に長谷川を出して点を取れる戦力層、二軍で外国人のコラスなど多数の選手を育成している盤石さ、もうどうやっても止められないのでは。少なくともBクラスに落ちることはないでしょう。

 

 

 西武は流石に来季は落ちるでしょう。シーズン終盤のピッチングを見ても平井が今季のように投げれるとは思いませんし。浅村に続いて秋山も抜ければいよいよ打線も冷え込むはず。

 とはいえ外崎を外野に回して山野辺をセカンドにすればそこそこ戦える打線になりそうですし、先発陣は若手が多いから伸び代ありそうですよね。

 

 楽天はちょっとあのGMがよくわからん…。何で監督解任するのかわからん。お陰で小谷野が帰ってきてくれたけど…。

 ドラフトも何故か守備型内野手の小深田を一位指名。鈴木大地が来たのでいきなり守る場所がなく…村林と競争する事になるでしょうか。

 とはいえ総合的な戦力は本物なので依然として強いでしょうね。

 

 ロッテはかなり恐ろしい。酒居や大地が抜けたとはいえ、福田・美馬・ハーマン・ジャクソンと地味ながら確実な補強。

 さらに投手では種市・東條・東妻、野手では安田・香月・西巻と有望な若手が多数。しかもドラフト一位を連続で当てているから4、5年後が怖い。

 来季に急上昇するとは予想しませんが、将来的にはAクラス常連の球団になりそうです。

 

 日ハム、、ドラフトで即戦力強化したとはいえ投手ですしねぇ。さらにパリーグ5球団は積極的に補強を行った中、日ハムは今のところ外国人を2人獲得したのみ。

 既存戦力がどれだけ復調してくれるかにかかっています。

 

 

 

 最後に予想順位と予想開幕スタメン書いて締めたいと思います。

 

1位:ソフトバンク
2位:西武
3位:ロッテ
4位:楽天
5位:オリックス
6位:日ハム

 

1.中 宗
2.二 福田
3.左 吉田正
4.右 ジョーンズ
5.一 ロドリゲス
6.DH  杉本
7.三 中川
8.遊 安達
9.捕 若月